懐古屋

ゲーム(主に対戦格闘ゲーム)やプロ格、フィギュア等々いろいろ懐古する

アントニオ猪木(赤T) フィギュア

時は2002年。
プロレスは格闘技ブームに押され人気は下火になりかけているという状況。
さらに新日においては相次ぐ主要選手の退団(橋本、武藤、小島、カシン)で
創設以来最大のピンチに陥っていました。(のちに長州も退団)
そんな窮状をなんとかしようと蝶野は一人の男をリングに招き入れます。
新日本プロレスこのリング。我々の上に一人神がいる。Mr.猪木!」
当時、猪木はプロレスに格闘技路線を持ち込もうとしているようだったので、
蝶野は地に足のついたプロレスをやりたいんだと訴えたい様子でした。
しかし、ここまでは序章。ここから有名な猪木問答が始まります。
蝶野に煽られる形でリングに上がった若手と猪木の問答を文字に起こすと

猪木「お前は怒ってるか?」中西「怒ってますよ!」猪木「誰にだ?」
中西「全日に行った武藤です!」猪木「そうか…おめぇはそれでいいや。」

猪木「おめぇは?」永田「全てに対して怒ってます!」
猪木「全てってどれだ?言ってみろ!俺か?幹部か?長州か?」
永田「上にいる全てです!」猪木「そうか…奴らに気付かせろ!」

猪木「おめぇは?」健想「僕は自分の明るいミレ…未来が見えません!」
猪木「見つけろ、てめぇで!」

棚橋「俺は新日本のリングでプロレスをやりますっ!」
猪木「まーそれぞれの思いがあるから、それは差し置いて…おめぇ達が本当に
怒りをぶつけて本当の力を叩きつけるリングをおめぇ達が作るんだよ!
俺に言うな!

蝶野、視線を落として笑いを堪える様子。健想…大事なところで噛むかねぇ。

あれから20年が経ち、
50周年を迎えた新日本のセレモニーに存命だった創始者猪木の姿はなかった。
VTR出演すらなかったのは新日本との関係性が良くないことを窺わせました。
(体調面の問題となっていたが、その後の24時間TVには車椅子姿で生出演。)
猪木にとっては自分が作った新日本プロレスさえ過去の遺物だったのかも…。

 

かなり昔になりますが、猪木が丸刈りで試合に現れたことがありました。
突然の姿に驚くとともに
「散髪にでも失敗したのかな?」と幼かった自分は思ってました。
最近知ったんですが、実はあの丸刈りは不倫が写真週刊誌によってばれた為
反省の意を込めてやったということでした。(本人がそう語っている。)
しかし、その甲斐なく翌年には離婚となり、大きな代償を支払うことに…。

かようにアントニオ猪木という人物はエピソードに事欠かない人でした。

最後に引退スピーチでの「道」という詩について。
素晴らしい内容のメッセージだったんですが、
構文として一つ引っ掛かる点が個人的にあります。
「その一足が道となり、その一足が道となる。」という部分。
同じ文章を二つ並べるのはどうにも気持ちが悪い気がします。
(野暮は承知で指摘せずにはいられない…。)
せめて「その一足が畔(あぜ)となり、その一足が道となる。」とかなら
納得できるけどなぁ。
(「畔」もしっくりは来ていない。もっとハマる単語がありそう。)
因みに元ネタとなった文章は少しニュアンスが違っていて
「その一足が道となる。その一足が道である。」となっており、
これはこれでスマートに収まってるなぁという感じです。