懐古屋

ゲーム(主に対戦格闘ゲーム)やプロ格、フィギュア等々いろいろ懐古する

ゴルゴ13【劇場版】(1983年)

ゴルゴ13が本格的にアニメ化された最初の作品。幾つかの原作エピソードを組み合わせた構成となっています。
(「帝王の罠」をベースに「ヒドラ」「チェック・メイト」「橋は崩れた」などのエッセンスを付加。)
原作の慎重なゴルゴでは考えられませんが、最後の方ではターゲットに対してビル正面からバイクで突っ込み、中央突破を図ったりします。
(連載初期のゴルゴならないことはないかな?)
最早スナイパーとは呼べない所業ですが、映画がクライマックスを迎えるので演出上仕方がないのかもしれません。
ただ、その後の少年誌的展開は嫌いじゃないですけどね。
あと気になったのは終盤に出てくるヘリのCG。当時見た人がどう感じたのか知りませんが、今見ると一気に脱力してしまいます…。
それとゴルゴには付き物の事象ですがSEXシーンが多いです。登場する大人の女性は漏れなくしてます。
(三人はゴルゴと、一人は下衆のスネークにレ〇プ。)
制作陣も多いと感じたのか、リタとのシーンはシルエットのみでの表現になってますね。

承知した。

仕事の依頼に対し受諾するゴルゴ。このセリフ若干違和感あるような?。受諾の際は「わかった。やってみよう。」のイメージがありますね。
ゴルゴの声を担当しているのは洋画吹き替えをメインでされていた俳優の瑳川哲朗さんです。

イタリアの貧乏移民だった儂が九つの時に初めてやった仕事は靴磨きだった。

石油の帝王、レオナルド・ドーソン。経済的脅しをかけてFBI、CIA、ペンタゴンを動かし、息子の仇であるゴルゴ抹殺を企てる。逆恨み…。
その執念たるや目的のためには義理の娘や孫娘をも最終的に道具扱いの冷酷さ。CVは納谷悟朗さん(「風の谷のナウシカ」ユパ役など)。

「よーし、シルバー!行け、ゴールド!仕上げをするのはお前達だ!奴の脳みそを抉り出してぶちまけろ!」

オリジナルキャラクターの双子の殺し屋。丸腰で2000人のゲリラ兵を殲滅後、米国内で変質的な連続殺人を犯し、死刑囚として服役していた。
ラスボスとしてゴルゴを苦しめる。銃弾を胸に受けても死なない。言葉を発するシーンはなく、声は戦闘時の奇声と笑い声のみ(声優不明)。

珍しく金回りが良さそうだな。

珍しく世間話をするゴルゴ。しかも若干楽しそうに話しています。これも連載初期のゴルゴっぽいですね。

 

この作品の監督はアニメ界の偉人、出崎統氏です。出崎監督はアニメの映像表現において色々チャレンジされた方で、上の絵もその一つです。
「止め絵」と呼ばれるもので印象的なシーンを劇画調の絵で1-2秒ストップさせる演出です。(「スペースコブラ」のCM前等に多用。)
その他、同じシーンを繰り返したり、画面を分割するなどのお馴染みの出崎演出も思ったより頻度は低いですが使われています。
(背景が眩しい光だけのシーンがよく出て来ますが、あれも出崎監督の発明だったかな?)
因みにこの作品が公開されてから15年後に再度、同監督にてゴルゴ13OVAが制作されています。(サブタイトルは”QUEEN BEE”。)
このときゴルゴ13役を務めていたのは玄田哲章さん(「シティーハンター」海坊主役など)でした。
出崎監督は晩年「スペースコブラTVシリーズ第2期の監督を約四半世紀ぶりに務める予定でしたが、
残念ながら病気治療のため降板となり、そのまま逝去となってしまいました。出崎監督の「スペースコブラ」もう一度見たかったですね。